20世紀フランスの架空の街にある、米国新聞社の支社が発行する「フレンチ・ディスパッチ」誌。この最終号に掲載される物語集にウェス・アンダーソンと豪華キャストが命を吹き込む。
20世紀フランスの架空の街、アンニュイ=シュール=ブラゼで発行された米国雑誌「フレンチ・ディスパッチ」。この最終号掲載の物語集にウェス・アンダーソンのユーモアとセンスが命を吹き込む。ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、ティモシー・シャラメ、ジェフリー・ライト、フランシス・マクドーマンド、レア・セドゥ、スティーヴン・パーク、オーウェン・ウィルソン、ウィレム・デフォー、リナ・クードリ、マチュー・アマルリック、クリストフ・ヴァルツ、エドワード・ノートン、ジェイソン・シュワルツマン、ヘンリー・ウィンクラー、アンジェリカ・ヒューストン、ビル・マーレイなど世界中で愛される豪華キャスト陣が、ジャーナリストへの愛の物語で異彩を放つ。
「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集長アーサー・ハウイッツァーの死に伴い、スタッフ陣は彼の追悼号のために4つの物語を創作する:エルブサン・サゼラック(ウィルソン)による街の最もいかがわしい地区を案内した気味の悪い旅行ガイド。J.K.L.ベレンセン(スウィントン)の「確固たる名作」では、服役中の天才画家 、モーゼス・ローゼンターラー(デル・トロ)と、彼の看守でありミューズの女性(セドゥ)を描く。ルシンダ・クレメンツ(マクドーマンド、「ザ・ニューヨーカー」誌の有名作家メイヴィス・ギャラントをオマージュした登場人物)が執筆した「宣言書の改訂」は、学生運動の真っただ中に起こる愛と死の物語だ。ローバック・ライト(ジェフリー・ライト)の「警察署長の食事室」では、ドラッグや誘拐、美食、警察の様式についてサスペンスに満ちた物語が描かれている。脚本家で監督のウェス・アンダーソンらしい、美しく、ディテールへのこだわりとユーモアがつまった演出がみるものを魅了する。