『ディズニーランドを創ったクラフトマンたち』の制作秘話
2026年3月12日
ディズニーランドという象徴的なテーマパークの誕生を記録した映画がどのようにして制作されたのか?監督レスリー・アイワークスへの独占インタビューを通して紐解きます。
ディズニーランドのない世界など、今では想像もできません。しかし「地上で最も幸せな場所」も、かつては実現不可能と思われた夢にすぎませんでした。ディズニープラスで配信中の『ディズニーランドを創ったクラフトマンたち』は、1955年7月17日のパーク開園初日までの1年間に立ちはだかった数々の困難と、それらを乗り越えた軌跡を描くドキュメンタリー。貴重な未公開映像や音声記録をふんだんに使用し、不可能を現実に変えた何百人もの職人たちの献身と芸術性を鮮やかに映し出します。
今回はレスリー・アイワークス監督を迎え、本作誕生のきっかけとなった思わぬ出来事から、作品に込めた思いまで、さまざまな制作秘話を伺いました。印象的な言葉を交えながら、監督自身の言葉で語られる制作の舞台裏をご紹介します。
※本記事はレスリー・アイワークス監督へのインタビューをもとに編集しています。
『ディズニーランドを創ったクラフトマンたち』誕生の舞台裏
アイワークス監督とチームがこの物語に遭遇したのは、ディズニーパークに命を吹き込む最先端技術を取り上げた2019年のドキュメンタリーシリーズ『イマジニアリング~夢を形にする人々』の制作中のことでした。チームは膨大なアーカイブ資料を調査する中で、ディズニーランドやウォルト・ディズニー・ワールドなどの建設に関する、数百時間におよぶ未整理の舞台裏映像を発掘。
その中には、初のディズニーパークであるカリフォルニアのディズニーランド建設を記録した貴重な映像も含まれていました。彼女たちはもともと『イマジニアリング~夢を形にする人々』の制作の一環で資料を綿密に調査していましたが、映像と現地の場所を照らし合わせながら開園までのプロジェクトを時系列で追ううちに、まったく別の物語が自分たちの目の前で繰り広げられていることに気づいたと言います。
日の目を見なかったドキュメンタリー
アイワークス監督は、『ディズニーランドを創ったクラフトマンたち』を単独作品として制作するというアイデアを提案した編集者のモー・ストーブと共同プロデューサーのマーク・カタレナに感謝しています。2人がサンプル映像をウォルト・ディズニー・カンパニーのオリジナル・ドキュメンタリー・フィルム&シリーズ部門の幹部に共有したことで、作品の制作が承認されたのです。
ところが、70分間のラフカットを制作後、新型コロナウイルスのパンデミックなどの影響で、プロジェクトは無期延期となってしまいました。
プロジェクトの復活、そしてファーストカット
ある日、アイワークス監督はディズニー・パークス、エクスペリエンス&プロダクツ部門のセグメント・コンテンツ制作&デジタル統合担当バイスプレジデントであるジェイソン・レッカーにラフカットを見せようと思い立ちました。映像を見た彼は「これはすばらしい!必ず公開すべきだ」と後押しし、制作資金の確保に動いたのです。こうして、ドキュメンタリー制作は再び軌道に乗りました。
新たな息吹を得たプロジェクトで、アイワークス監督とチームはアーカイブ映像のカタログ化作業に着手しました。これは、さまざまな映像が混在するリールからクリップを1つずつ取り出していくもので、困難を極める作業でした。アイワークス監督は当時を振り返り、「その映像がどこのものなのか、誰が撮影したのか、どの時期のものなのか、まったく分かりませんでした」と語ります。チームは綿密な精査のもと、すべてのリールからクリップを分離し、場所と時間ごとに整理。その積み重ねによって、時系列に沿ったストーリーが形を成していきました。
物語としての説得力を高めるために、アイワークス監督は編集者に全権を委ねました。
「モーは感受性が豊かで、テンポの取り方がとてもうまい。私は、素晴らしいものになると分かっていたのでモーの好きなようにやって、という感じでした」
共通のビジョンが形になっていく様子を見て、アイワークス監督は目頭が熱くなりました。その後、チームは最初のカットをさらに磨き上げていきました。
「映像を初めて見たとき、圧倒されてしまい、涙が出てきました」
アイワークス監督は、このプロジェクトを強化し、信ぴょう性を高めるために、ディズニー・レジェンドたちを集めて意見交換を行いました。参加したのは、トニー・バクスター(ウォルト・ディズニー・イマジニアリングのクリエイティブ開発部門元シニアバイスプレジデント)、ドン・ハーン(『美女と野獣』(1991年)など主要ディズニー映画を手がけたプロデューサー)、ティム・オデイ(作家、ディズニー史の専門家)、トム・モリス(元イマジニア)、ジョナス・リヴェラ(ピクサー・アニメーション・スタジオのプロデューサー)、そしてピート・ドクター(アカデミー賞受賞監督、ピクサー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサー)などです。
「ディズニーランドの専門家から成るブレイン集団を組織しました。皆さんが一堂に会して、私たちのラフカットを見てくれて、とてもうれしかったです」
ディズニー・レジェンドたちから、ディズニーランドの歴史に関する豊富な知識に基づいた貴重な見識やフィードバックが得られました。そのおかげで、個々の映像が正しい順に配置され、正確かつ信ぴょう性のあるストーリー展開になったのです。
『ディズニーランドを創ったクラフトマンたち』という作品名になった理由
「この作品名は、ある日、ふと私に舞い降りてきました。これは手仕事であり、職人たちのクラフトマンシップでできあがっている。だから『ディズニーランドを創ったクラフトマンたち』なのです」
アイワークス監督は自分が目にしたすべての映像を振り返り、「すべてが非常に細部までこだわり、丹念に手入れされていた」ことに感銘を受けました。「レンガや岩の造形から、ファサードの塗装、マークトウェイン号の細部の彫刻まで」、ウォルト・ディズニーの夢を現実のものにしたのは、何百人にも及ぶ熟練の職人やアーティストによる、根気強く丁寧な作業だったのです。
視聴者が『ディズニーランドを創ったクラフトマンたち』から得られること
この作品を観た視聴者に何を感じてほしいか尋ねたところ、アイワークス監督は、アーカイブ映像によって視聴者が当時の現場に迷い込んだような気分になってくれたら嬉しいと答えています。
「視覚的に『おおっ』と思うような瞬間がたくさんあり、実際にそこにいるような気分になるでしょう」
もちろん、物語の結末は誰もが知っています。ディズニーランドは無事に開園し、エンターテイメントの世界を大きく変えました。それでもなお、アイワークス監督は1950年代に不可能を可能にした当初の立役者たちが直面した緊張とプレッシャーを、視聴者に感じてほしいと思っています。
「物語が4分の3ほど進んだところで、マークトウェイン号が角を曲がって現れます。その姿を見て、ホッと胸をなでおろしていただければ幸いです」
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