マーベルアニメーション『アイズ・オブ・ワカンダ』のライオン(クレス・ウィリアムズ)

監督トッド・ハリスが語る『アイズ・オブ・ワカンダ』の舞台裏

2025年9月28日

監督を務めたトッド・ハリスが、『アイズ・オブ・ワカンダ』の小ネタや大量破壊兵器級のアイアン・フィスト、そして迫力満点のアクションについて語りました。

2025年7月にアメリカ・サンディエゴにて開催されたサンディエゴ・コミコン(SDCC)では数々のサプライズがありましたが、中でも、マーベルアニメーションの新作『アイズ・オブ・ワカンダ』の監督を務めたトッド・ハリスのインタビューはひときわ注目を集めました。ハリス監督は、4話構成のアンソロジーによって広がった『ブラックパンサー』の世界観、アーニー・バーンズやディーン・コーンウェルといったビジュアルアーティストから受けた芸術面における影響、アイアン・フィストを予測不能な存在に設定した経緯を語ってくれました。ワカンダの新たな一面を探求したいマーベルファンにとって、ハリスの話が示すことはただ1つ。このシリーズが必見だということです。さあ、詳しく見ていきましょう!

マーベルアニメーション『アイズ・オブ・ワカンダ』のブラックパンサー
『アイズ・オブ・ワカンダ』、マーベルアニメーション

サンディエゴ・コミコンでのトッド・ハリスのインタビュー

マーベルアニメーションの『アイズ・オブ・ワカンダ』のビジュアルスタイルについて教えていただけますか?また、このシリーズの見た目や雰囲気を作る上で、芸術面ではどのようなものから影響を受けましたか?

トッド・ハリス:アーニー・バーンズから大きな影響を受けました。彼が描く人物の体つきや伸びやかさ、誇張された表現が参考になりました。また、絵画的なスタイル、特に色の表現の仕方に関してはディーン・コーンウェルの影響が大きかったです。さまざまなアートを参考にして取り入れましたが、最も重要だったのは、異なるスタイルを互いに調和させることでした。今回のシリーズでは、絵画的で手作り感のある雰囲気を持たせることを指針としました。

秘密組織「ハトゥットゥ・ザラゼ」やシリーズ全体のビジュアルはどのように作り上げたのですか?

トッド・ハリス:ハトゥットゥ・ザラゼの面白いところは、スパイがどんな見た目をしているべきかを知る人がいないという点です。というのも、彼らが任務をきちんと遂行していれば、人の目に触れることはありません。ですから、見た目自体は大きな課題ではありませんでした。本当の挑戦は、ワカンダの世界を構築し、彼らを異国情緒ある場所に配置してみて、どんな戦術や技術を使うのかを考えることでした。キャラクターにとって最も大切なポイントは、どんな時代や地域に属しても周囲に溶け込めることです。ですから、登場する技術がその時代にふさわしいと感じられること、そして、ワカンダの技術水準に見合ったものになっていること、こういった確認の方が困難を極めました。 

特に制作が難しかったシーンやキャラクターはありましたか?

トッド・ハリス:全部が大変でしたよ(笑)!どれもこれも想像してたより少しずつ難しかったですね。でもそれがクリエイティブなプロセスなんです。苦労していないということは、まだ努力が足りていなということですから。それにご存じのとおり、やりたいことには必ず限界があって、その枠の中にこそ学びの過程があるのです。「思っていたより簡単だった」なんて思えた瞬間は一度もありませんでしたね。 

このシリーズにアイアン・フィストを組み込むにあたって、どのような考えを持っていましたか?

トッド・ハリス:この作品に携わっている人はみんなコミックが大好きなんです。ですから、アイアン・フィストという称号やその能力は、とても特別で魅力的なんです。ワカンダに大量破壊兵器を持ち込むようなもので、ワカンダ人は大量破壊兵器に対処しなければならないという感覚なんです。私が作ろうとしたのは、いわばジャッキー・チェン映画。でも普通のジャッキー・チェンではなく、これ以上ないほどに危険なジャッキー・チェン映画です(笑)。鍛え抜かれたワカンダの戦士が地上最強の武術家を相手にどう戦うかを想像する、これが醍醐味でした。 

映画では、首都や王室の視点でワカンダが描かれています。今回のシリーズでは、ワカンダの世界をどのように掘り下げたのでしょうか?

トッド・ハリス:映画には多くのストーリーが詰め込まれているので描ける範囲が限られてしまいがちです。そこで、描写する地域を増やして主要なキャラクター以外も取り上げるよう心がけました。今回のシリーズでは、ワカンダのさまざまな派閥が登場します。この機会にワカンダに住む人を広く深く描写しました。真面目な人、誠実な人、面白い人など、ワカンダのさまざまな人々の生活の様子をたくさん見ることができますよ。

ファンが見つけられそうなブラックパンサーの映画やコミックにまつわる小ネタやオマージュはありますか?

トッド・ハリス:いたるところにありますよ!画面をくまなくチェックすることがファンの皆さんの仕事ですからね。私たち自身がオタクっぷりを発揮して世界観を作り込んだだけでなく、『ブラックパンサー』のプロダクションデザイナーにも協力を仰ぎました。自分たちのスタイルや美学を作り上げ、それを徐々に進化させながら、ライアン・クーグラーが映画で作った要素をしっかり尊重し、両者が呼応するようにしました。ですから、特にワカンダの全景を見渡すシーンをよく見ると小ネタが見つかるはずです。 

ハリスへの独占インタビューから新たな情報が明らかになり、新シリーズについてますます期待が高まりますね。 

『アイズ・オブ・ワカンダ』の「手描きの絵画的な」ビジュアルは、アーニー・バーンズのしなやかな身体像や、ディーン・コーンウェルの筆を活かした豊かな色使いから着想を得ています。これらの人物を知らなかったとしても、伸びやかなシルエットや表情豊かなポーズ、質感のあるライティングに気が付くはずです。どの場面もレンダリングではなく、まるで筆で描かれているかのようです。

ご存じない方のために説明すると、アイアン・フィストはマーベル作品に登場する圧倒的な力を備えた最高の武術家に与えられる称号です。ハリスがアイアン・フィストを「大量破壊兵器」に例えたのはそのためです。本作ではワカンダの精鋭たちが、ほぼ無敵の戦士に立ち向かうときの軽やかでハイスピードな真剣勝負のアクションに注目です。

最後に小ネタ好きなファンに朗報です。ハリスによれば、本作にはたくさんの小ネタが用意されているとのことです。『ブラックパンサー』のプロダクションデザイナーの協力を得てさまざまなオマージュが随所に仕込まれているので、何度も見たくなりそうです。都市の全景ショット、映画を思わせるテクノロジーのシルエット、衣装や背景に散りばめられたさりげないモチーフなどを探してみてください。何度も一時停止して見直したくなること間違いなしです。

今回のインタビューから分かるように、本シリーズではワカンダの伝統を尊重しつつ、大胆にその世界を広げています。筆致を感じさせる手描き風のビジュアル、世界を飛び回るウォー・ドッグのストーリーなど、『アイズ・オブ・ワカンダ』は、ブラックパンサーが映画史上に残した礎に深く敬意を払いながら、アーティスティックで壮大な世界観を作り上げました。現在ディズニープラスで独占配信中の本作、マーベルファンは必見です。 

マーベルアニメーションの『アイズ・オブ・ワカンダ』

マーベルアニメーション『アイズ・オブ・ワカンダ』にて村の守り手に立ちはだかるライオン(クレス・ウィリアムズ)
『アイズ・オブ・ワカンダ』、マーベルアニメーション

マーベルアニメーションの新作アクション・アドベンチャーシリーズ『アイズ・オブ・ワカンダ』は、勇敢に戦うワカンダの戦士たちの冒険の歴史を描きます。世界各地を舞台に繰り広げられる本作では、ヒーローたちはワカンダから失われたヴィブラニウム製の遺物を回収するために危険な任務を遂行します。これは彼ら「ハトゥットゥ・ザラゼ」の物語です。『アイズ・オブ・ワカンダ』の声を担当するのはウィニー・ハーロウ、クレス・ウィリアムズ、パトリシア・ベルチャー、ラリー・ヘロン、アダム・ゴールド、リン・ウィットフィールド、ジャック・コリモン、ジョナ・シャオ、アイザック・ロビンソン=スミス、ゲイリー・アンソニー・ウィリアムズ、ジーク・アルトン、スティーヴ・トゥーサント、アニカ・ノニ・ローズ。監督兼製作総指揮はトッド・ハリスが、製作総指揮はライアン・クーグラーが務めています。その他製作総指揮にはブラッド・ヴィンダーバウム、ケヴィン・ファイギ、ルイス・デスポジート、ダナ・バスケス=エバーハート、Proximity Mediaのジンジ・クーグラー、セヴ・オハニアン、カリア・キングが名を連ねています。

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